
ここに
つづけられない詩を、
セロテープと花でおさえて
夜でも朝でもなく、いま、立っていること
──「文化祭 午後の部」より
待望の第二詩集ついに刊行。
“夏生まれのぐじゃぐじゃ ともだちができた、暗闇のなかで、寝転がってしかできない話をした/網目越しの空に吸いついた星、その向こうに、別の夜を想う余地のある横顔にみとれた”(「双子音階」より)
白鳥さんの詩を読んでいると、どこに居てもあっさりとひとりになれる。
これは自分でも不思議な感覚で、一篇の詩の世界に入り込む、というのとも違っていて、詩が創ったり崩したりする世界を、別の場所から眺めている。
そこはひんやりとした場所、意識は冴え渡り、感情(感情になる前のものを含め)が増幅する。そこに行きたくて、繰り返し読んでしまう。
そして詩の断片・彩りを身体にまとい、少しだけ良くなって、日常へ戻っていく。
葉ね文庫 池上規公子
著者プロフィール
白鳥央堂(しらとり・ひさたか)
1987年、静岡県生まれ。第47回現代詩手帖賞受賞。著書に第1詩集『晴れる空よりもうつくしいもの』。