刊行物カテゴリー: 評論

一目散 豊島重之評論集

著者:豊島重之
定価:3500円+税
判型:四六判・スリーブ函入り
ページ数:428
ISBN:978-4-908568-30-5

「モレキュラーシアター」主宰・豊島重之の批評的テキストを初集成。
青森県八戸市を拠点に、2019年に亡くなるまで、ジャンルを越えた芸術 表現、批評の場を結集・展開し続けたその思考がいま明らかになる。
自らが提唱した「絶対演劇」に関する宣言文をはじめ、写真や映像表現、吉増剛造、カフカ、アルトー、ベケット、寺山修司についての批評的テキストを収録。
跋=倉石信乃 装幀=山口信博+玉井一平

著者プロフィール
豊島重之(としま・しげゆき)
1946年青森県八戸市生まれ。演出家。キュレーター。精神科医。モレキュラーシアター芸術監督。編著・共著に『68ー72・世界革命・展 ICANOF 2008』、『飢餓の木 2010』『種差四十四連図』など多数。

眞鍋先生──詩人の生涯

著者:近藤洋太
定価:2200円+税
判型:四六判並製
ページ数:256
ISBN:978-4-908568-26-8

眞鍋呉夫生誕100年記念出版。

戦時下、同人誌「こをろ」に集った若き文学者たちとの青春、「現在の会」への参加と共産党への入党、日本浪曼派の流れを汲む文芸誌「ポリタイア」への参加、戦争、戦後を通し「孤立においての連帯」を求めた俳人・作家、眞鍋呉夫。
43年にわたってその謦咳に接した著者が描く詩人の生涯。

眞鍋呉夫は最晩年にいたるまで、無結社を貫いた。宗匠となることを拒んで、座の人間はみな平等で対等な関係であることをめざした。俳句が「師系」の文学であることを認めなかった。しかし芭蕉と曾良、魯迅と柔石、萩原朔太郎と伊東静雄といった人たちの間にはあった、他からのいかなる権威や道徳や習慣によって成立した関係とも無縁な「因習外の師弟関係」を求め続けた。(「第十章 生涯無結社」より)

著者プロフィール
近藤洋太(こんどう ようた)
1949年福岡県久留米市生まれ。中央大学商学部経営学科卒業。詩集に『筑紫恋し』(11年)、『果無』(13年)、『CQICQ』(15年)、『現代詩文庫231近藤洋太詩集』(16年)、『SSS』(17年)など。評論集に『矢山哲治』(89年)、『反近代のトポス』(91年)、『〈戦後〉というアポリア』(00年)、『保田與重郎の時代』(03年)、『人はなぜ過去と対話するのか─戦後思想私記』(14年)、『辻井喬と堤清二』(16年)、『詩の戦後―宗左近/辻井喬/粟津則雄』(16年)、『ペデルペスの足跡―日本近代詩史考』(18年)。

現実のクリストファー・ロビン 瀬戸夏子ノート2009-2017

著者:瀬戸夏子
定価:2700円+税
判型:四六判並製・筒函入り
ページ数:416
ISBN:978-4-908568-20-6

歌人・瀬戸夏子の真摯で豊穣な言葉は今日も世界と交差してゆく。
先鋭的な作品と批評により注目を集める歌人の初の散文集。

同人誌「町」「率」や機関誌「早稲田短歌」に発表された、穂村弘、荻原裕幸、永井祐など、「ニューウェーブ」、「ポストニューウェーブ」の歌人たちを論じた評論から、フェミニズムの視点から批評を展開し、議論を呼んだ歌壇時評、著者へのロングインタビュー、日記や詩集、小説作品、ネットプリントで配布された個人誌まで、その目を見張る多彩なテクストをここに集積する。

──この本をまとめるにあたって、たまっていた自分の文章を読みかえすことになったが、もちろん年月の経過による巧拙の差などはあれど、うんざりするほどひとつのことしか言っていないように思えた。それは、わたしはつねにクリストファー・ロビンを愛するが、現実のクリストファー・ロビンを知りたいという欲望に打ち勝つことはできず、結局のところ、そのふたりのあわいにあるものについて永遠に語りつづけていたい、という欲望である。その欲望とは一見関係のなさそうにとらえられるかもしれない文章にさえ、その欲望ははっきりと宿ってしまっている──(「あとがき」より)

著者プロフィール
瀬戸夏子(せと・なつこ)
1985年生まれ。2005年の春より作歌を始め、同年夏、早稲田短歌会に入会。その後2009年の創刊から2011年の解散まで同人誌「町」に参加し、現在「率」同人。著作に第一歌集『そのなかに心臓をつくって住みなさい』(私家版、2012年)、第二歌集『かわいい海とかわいくない海end.』(書肆侃侃房、2016年)。

近藤洋太評論集 ペデルペスの足跡──日本近代詩史考

著者:近藤洋太
定価:2200円+税
判型:四六判並製
ページ数:244
ISBN:978-4-908568-19-0

口語自由詩を切り開いた萩原朔太郎、西脇順三郎、宮澤賢治、中原中也、立原道造たち近代詩人が通った一様ではない進化の過程。
太平洋戦争に直面した三好達治、草野心平、伊東静雄たちの生の痕跡。
詩の実作者が辿る詩史論。

装幀=佐々木陽介

著者プロフィール
近藤洋太(こんどう・ようた)
1949年福岡県久留米市生まれ。詩集に『もがく鳥』(78年)、『七十五人の帰還』(81年)、『カムイレンカイ』(85年)、『水縄譚』(93年)、『水縄譚其弐』(00年)、『筑紫恋し』(11年)、『果無』(13年)、『CQICQ』(15年)、『SSS』(17年)など。評論集『矢山哲二』(89年)、『反近代のトポス』(91年)、『〈戦後〉というアポリア』(00年)、『保田與重郎の時代』(03年)、『人はなぜ過去と対話するのか──戦後思想私記』(14年)、『現代詩文庫231近藤洋太詩集』(16年)、『辻井喬と堤清二』(16年)、『詩の戦後──宗左近/辻井喬/粟津則雄』(16年)。

絓 秀実時評集 タイム・スリップの断崖で

著者:絓 秀実
定価:2300円+税
判型:四六判並製
ページ数:312
ISBN:ISBN978-4-908568-08-4

リベラル・デモクラシーの断崖から世界を照射する
2004年の小泉政権下でのイラク邦人人質事件から2015年の安保関連法案をめぐる国会前デモまで、そこに顕在化した「リベラル・デモクラシー」のリミット=断崖を示す、現在、最もアクチュアルな批評家・絓秀実の最新時評集!
2016年現在の「戦後憲法」と「民主主義」をめぐる書き下ろし論考(「戦後憲法は「正統」に成立したのか、民主主義が必須に内包する「革命」をめぐって」)を収録。
文中で言及された出来事や固有名詞等についての、10万字以上に及ぶ脚注を付す。

近藤洋太評論集 詩の戦後─宗左近/辻井喬/粟津則雄

著者:近藤洋太
定価:2400円+税
判型:四六判並製(クータ・バインディング)
ページ数:352
ISBN:978-4-908568-06-0

戦後、詩は何を経験してきたのか。
1955年『死の灰詩集』論争で切り開かれた詩の戦後。2011年東日本大震災後の現在まで、詩は何を経験してきたのか。宗左近、辻井喬、粟津則雄、寺門仁、古木春哉、秋山清、吉本隆明、眞鍋呉夫の名と共に語られる詩の戦後の記憶。
装幀=佐々木陽介