【近刊】日本人の条件 東アジア的専制主義批判

著者:大杉重男
定価:4500円+税
判型:A5判・上製
ページ数:536
ISBN:978-4-908568-45-9

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書籍の説明

これは「入門書」でも「専門書」でもない。「門」を破壊する「破門」の書である。

憲法九条、「歴史認識」論争、日本語のエクリチュールを新たな視点から批判的に読み直し、和辻哲郎、夏目漱石、谷崎潤一郎、徳田秋声、福本和夫、中野重治、保田与重郎、大西巨人、三島由紀夫、中上健次、大江健三郎、山田美妙らのテクストの転覆的読解を試みて、「東アジア的専制主義」批判から「東アジア同時革命」へ向かう。「最後の文芸批評家」による「最新」の「時間錯誤」的日本=文芸批評。
装幀=清岡秀哉

「私がここで素描を試みたいのは、日本人が「主体性」あるいは「主権」を持つべきなのか、持たないことによってどのように「人間」あるいは「動物」から隔たっているのか、持つとすればそれはどのようなものでなければならないか、そうした問いを、専ら文学を中心とした近現代の日本の文化言語表象の分析を通して検証することである。これは「日本人」の条件を問うことであると同時に「日本国」「日本語」「日本文学」の条件を問うことでもある。」(「序章「日本人工学三原則」としての憲法九条」より)

著者プロフィール
大杉重男(おおすぎ・しげお)
1965年生まれ。文芸批評家。
1993年、「『あらくれ』論」にて第36回群像新人賞評論部門受賞。2001年、「重力」編集会議に参加し、翌年、鎌田哲哉、市川真人、井土紀州、可能涼介、西部忠、松本圭二と雑誌『重力』を創刊。
著書に『小説家の起源──徳田秋声論』(講談社、2000年)、『アンチ漱石──個有名批判』(講談社、2004年)。

目次

 序章「日本人工学三原則」としての憲法九条

第1部 東アジア的専制主義批判──歴史と文字をめぐって

 第1章 ただ一つの、自分のものでしかない歴史──歴史認識論
 第1章付論 分断された時間の中で糞尿を公衆便所に運び捨て続けること──古賀忠昭「金愛花日記」論
 第2章 文字存在論──天皇制のグラマトロジー
 第2章付論 校正者の使命──安里미겔(ミゲル)「憲法十二条」論

第2部 日本人の条件──友愛・大逆・主権

 第3章 大日本帝国の「友」と「供(とも)」──フリーライダーとしての夏目漱石
 第4章 『吉野葛』の冷たい母胎──谷崎潤一郎と天皇制
 第5章 徳田秋声のダンス・ステップ──刳り取られた「大逆」的エクリチュール
 第6章 福本和夫とマルクスのロボットたち
 第7章 「道徳的インポテンツ」について──中野重治の「性–道徳」
 第8章 保田与重郎の合言葉──「みやらびあはれ」におけるレトリックの暴力
 第9章 「てん」をうつこと、あるいは大西巨人における「スノビスム」の問題
 第10章 「文化防衛論」と「人質」の論理
 第11章 中上健次の「友」と「敵」──『千年の愉楽』の政治学
 第12章 永劫回帰する「十二歳」の神話──「日本人」養成ギプス
 第13章 山田美妙の不可能性の中心──近代文学のジャンクな外部
 第14章 「本当の事」を言った獣──大江健三郎『万延元年のフットボール』における「主権」の問題
 第14章補論 日本の真の滅亡のために

 終章 東アジア同時革命についての走り書き的覚書

 あとがき