カテゴリー: shinkan

【新刊】坂多瑩子詩集『物語はおしゃべりより早く、汽車に乗って』を刊行しました。


『物語はおしゃべりより早く、汽車に乗って』

抒情からも、抒事からも自由に言葉がはばたいていくとき、詩は、遥かに再来する物語のひとつひとつを、ふかく抱きしめている。
詩人の新たな出発を示す42篇を収めた第七詩集。
栞=杉本 徹/柴田千晶
造本・装幀=稲川方人/装画=高橋千尋
A5変形・並製筒函/132頁/定価:2200円+税

ちっちゃな青空
という言葉がやけに好きだった 松尾和子の歌う「再会」
あたしの見ていた空はいつだって大きかった
よそよそしくていじわるで きどりや
だから あっかんべ
ちっちゃな青空って
かわいい かわいいかわいいといっていると
ひとりにしないでとちっちゃな青空がいうので
抱きかかえてあたしだけのおうちに帰った
(「夏のおわりに父」より)

自分にとって原型となり得る詩、という言葉が常に頭の隅にあった。今ようやく自分の書いてきたおぼつかない詩がジグソーパズルのように一つの風景を見せ始めてくれている。(「あとがき」より)

【新刊】中尾太一 詩集『ルート29、解放』を刊行しました。

『ルート29、解放』
薄く、張り裂けそうな詩の皮膚に精いっぱいの光を浴びて予感する明日のポエトリー
中尾太一新詩集!
A5判変形/144頁/定価:2800円+税
装幀=稲川方人/カバー写真撮影=菊井崇史

声を押し殺し
こころを固く閉ざし
わたしも、あなたも
生まれたというたったひとつの史実に現れようと
中指を突き立てる
(「飛行機雲」より)

【新刊】岸田将幸 詩集『風の領分』を刊行しました。

ごらん、これがほんとうの正午の火照り。きみに影をつくる、生きて在ることの静かな明るさ

『風の領分』 A5判変形/112頁/定価:2800円+税

現代詩の主体と詩語のありかを問い続けてきた詩人・岸田将幸。
前詩集『亀裂のオントロギー』から7年、静かなる耐久の時間を経て、限りある存在の地平から詩にゆるやかな解放をもたらす待望の第六詩集。
装幀=著者自装

本書は単純な章立てで構成した。この四つの場所を行ったり来たりしているのが近年の詩の正直な姿で、それ以上ではない。あとは、おぼつかない生活があるだけである。
それでも、僕は依然として誰かを、何かを説得しようとしている。
(「後書」)

【新刊】古屋 朋詩集『ひとつゆび』を刊行しました。

見開かれた瞳に映じる世界の明滅。
新鋭による第一詩集。
装幀=鈴木規子/カバー・口絵写真=manimanium


『ひとつゆび』
A5判・仮フランス装/84頁/定価:2200円+税

このとまらないゆれは
うまれるずっとまえからはじまっていると
どこかに書いてあったようにおもう
大きなゆれにたおれないよう
われないよう
あんしんかんを やすらぎを
かろうじて
ひとつのゆびで
おさえてゆくのだろう
(「ひとつゆび」より)

ぜひお近くの書店にてお手にとってみてください。
小社ホームページからもご購入いただけます。

【新刊】栗原洋一詩集『岩船』を刊行しました。

1990年代に『吉田』『草庭』の二冊の歴史的な詩集を発表し、以後も世界に対しマージナルな位置で孤独に詩作を続けてきた詩人・栗原洋一の26年ぶりの新詩集がついに刊行。


栗原洋一詩集『岩船』
A5判並製/64頁/定価:2000円+税
「わが身はすでに/鈴虫の/うつせみの灰の身ならば/いまはただこのいつくしみの思いを/この枯野にしずめ/薄明の灰に帰らむ」(「鈴虫」より)

伊予風土記の逸文をモチーフに伊予松山の伝承や神話と詩人の「現在」が往還する長歌「岩船」とその反歌「櫂ノ歌」からなる表題詩篇「岩船」、広島への原爆投下という「歴史的惨事」に対峙する「宇品まで」「厳島」「創造者」など16篇の作品を収める。
栞=稲川方人/林 浩平

はるか遠い古語の文献(「源氏物語」等々)に響いているのはあくまでも「現世」に他ならない。「現世」こそが「常ならぬ世」の彼岸であることを、詩集『岩船』はわれわれに教えるだろう。(稲川方人)

ハイデッガーがその詩論で唱えたように、我々は生の実存的な不安に晒されるなかで、Da「現」の根源的な顕現である「開け」を経験するために詩を書くのである。栗原氏が郷土松山の歴史の裂目に身を差し入れて、歴史事象を題材として詩を書くことこそが、自らの生を「現存在」として掴みとろうとする、のっぴきならない営為ではないだろうか。(林 浩平)

白鳥央堂詩集『想像星座群』、多田陽一詩集『きみちゃんの湖』、田尻英秋詩集『こよりの星』を刊行しました。

白鳥央堂詩集『想像星座群』、多田陽一詩集『きみちゃんの湖』、田尻英秋詩集『こよりの星』の三冊の詩集を刊行しました。
書籍内容の詳細については各詩集の紹介ページにてご確認いただけます。
ぜひお近くの書店にてお手にとってみてください。
小社ホームページからもご購入いただけます。

『想像星座群』

『きみちゃんの湖』

『こよりの星』

『現実のクリストファー・ロビン 瀬戸夏子ノート2009-2017』を刊行しました。

『現実のクリストファー・ロビン 瀬戸夏子ノート2009-2017』 『現実のクリストファー・ロビン 瀬戸夏子ノート2009-2017』を刊行しました。
歌人・瀬戸夏子さんのエッセイ、評論、歌壇時評、日記、インタビュー、詩・小説作品等、10年近くにわたる活動が網羅された初の散文集です。
今週から順次書店に並びますので、ぜひお手にとってみてください。 小社HPからもご購入いただけます。

4/5(金)には紀伊國屋書店新宿本店9階イベントスペースにて『現実のクリストファー・ロビン 瀬戸夏子ノート2009-2017』の刊行を記念して著者の瀬戸夏子さんと歌人の穂村弘さんによるトークイベントを開催します。
参加方法など詳細は紀伊國屋書店さんのHPにてご確認ください。
『現実のクリストファー・ロビン 瀬戸夏子ノート2009-2017』刊行記念トークイベント「瀬戸夏子という短歌史」

近藤洋太評論集『ペデルペスの足跡──日本近代詩史考』を刊行しました。

『ペデルペスの足跡──日本近代詩史考』

口語自由詩を切り開いた萩原朔太郎、西脇順三郎、宮澤賢治、中原中也、立原道造たち近代詩人が通った一様ではない進化の過程。
太平洋戦争に直面した三好達治、草野心平、伊東静雄たちの生の痕跡。
詩の実作者が辿る詩史論。

現在、お取り扱いいただいている主な書店は各紹介ページにて御確認いただけます。
また、小社ホームページからもご購入いただけます。