戦後、詩は何を経験してきたのか。
1955年『死の灰詩集』論争で切り開かれた詩の戦後。2011年東日本大震災後の現在まで、詩は何を経験してきたのか。宗左近、辻井喬、粟津則雄、寺門仁、古木春哉、秋山清、吉本隆明、眞鍋呉夫の名と共に語られる詩の戦後の記憶。
装幀=佐々木陽介
近藤洋太評論集 詩の戦後─宗左近/辻井喬/粟津則雄
定価:2400円+税
判型:四六判並製(クータ・バインディング)
ページ数:352
ISBN:978-4-908568-06-0
戦後、詩は何を経験してきたのか。
1955年『死の灰詩集』論争で切り開かれた詩の戦後。2011年東日本大震災後の現在まで、詩は何を経験してきたのか。宗左近、辻井喬、粟津則雄、寺門仁、古木春哉、秋山清、吉本隆明、眞鍋呉夫の名と共に語られる詩の戦後の記憶。
装幀=佐々木陽介
詩作者の書いた
(不可視)を越えて
(無数)から
ひとつを救い出さなければならない
遊戯でもなく懐疑でもない
詩史の揺らぎに対峙する真新しい言葉の生成
そこに問われているものは何か……
第27回歴程新鋭賞受賞
早いうちに飛び立っていった小鳥が降らせた
雪が中空に舞い、滞る
その雪の塊が落ちながらひらいていくのを見ていた
僕らは
道の途中で立ち尽くしていたんだ
夕暮れ時の天空から舞い降りた小さな精霊のよう
ニール・ヤング、プレスリー、ジェシ・ウィンチェスターの歌に
やわらかな夢幻の抒情が響きあうとき……
映画を志す若い感性がいま「世界」を発見するために!
異界の風を運び来た映画作家・沖島勲、その未映画化シナリオ五篇をここに集成
未刊詩篇を再編した稲川方人、初めての、そして最後の詩篇集。
1990年代以後の現代詩の「抒情」を、傷だらけの時代へと召喚し、多様な声の交叉するその場から眺望される未踏の詩学!
漫画家・ユズキカズの少年像が誘う。
没後7年、その死の直前に書き積もらせた圧倒的な詩群を新たに編集した一書。『血の穴』『血のたらちね』に続く、棄民たちの昭和への怨念がここにまた吐き出される! 戦後現代詩が書き得なかった極地にいまだ古賀忠昭は立っている。
著者プロフィール
古賀忠昭(こが・ただあき)
1944年、柳川のはずれの干拓地に生まれる。25 歳頃まで家業の農・漁業に従事。その後、廃品回収業を営む。2008 年、没。
詩集『泥家族』(71)、『念仏のうた』(72)、『土の天皇』(75)、『血ん穴』(06)、『血のたらちね』(07・丸山豊記念現代詩賞受賞)