鈴木正枝詩集 そこに月があったということに

著者:鈴木正枝
定価:2000円+税
判型:四六判並製(クータ)
ページ数:112
ISBN:978-4-908568-07-7

書籍の説明

遠すぎる距離が淋しいだけ
時の往来、日々の陰陽にひそむ解き得ないこころの揺れ。その揺れの小さな叫喚にそっと手を寄せる。鈴木正枝第二詩集刊行。

薄い闇が忍び寄るころ
初めて気づく
そこに月があったということに
ほんとうはずっとそこにあった
町も家々もずっとそこに
〔…〕
私は想っている
そうやって部屋がひとつ消えたことを
そうして
そのぶん町は暗くなるのだ
どんどん容赦なく暗くなっていくのだ
忘れない
気づかれなかったという現実が
何年も物言わず溜まっていくということを
Mよ
私は忘れない
──「陽が落ちて」抜粋

目次

隠し事
一輪
理由をさがして
去りゆくもの
一枚の斉藤
陽が落ちて
りんご園
転位していく想い
別れ
春の暮れ方
雨とおばさん
アラと
帰り道
正午
ある晴れた朝に
バイバイ
わたしと女の子
今日の出来事
小さな叫びが
ふたりの世界
命のねむり
午後の訪問者
いえの構造
三十二歳の誕生日
銀の鞘えんどう
残っていくもの

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