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【新刊】伊藤悠子詩集『白い着物の子どもたち』を刊行しました。

『白い着物の子どもたち』

美しいと思った日々が/絵画のような遠くを散っている
(「草深百合」より)

思い出というものではない、遠い風景の中の懐かしい微笑みやさびしさ。
少女が乗るブランコのこすれる正確な音によって伝えられる生きる生活。
清澄な叙情を伝える25篇の詩。

A5変形・上製/96頁/定価:2200円+税

女の子は
小学校の七夕の短冊に
にこにこ笑っている女の子を描いて
横に大きく
わたしがやさしくなるように
と書いていた
一年生だった
枇杷色の服ならオーバーコートがそうだった
(「絵のなか」より)

【新刊】松田ゆか詩集『人は眠り 花は歩き』を刊行しました。

『人は眠り 花は歩き』

第一詩集から五年半、風の吹くままに詩作の時を過ごす中で綴られた19篇の詩。
松田ゆか、第二詩集。
カバー絵=小池さよみ/装幀=松田瑞奈子

四六判・並製/72頁/定価:2000円+税

若苗色の実が熟して
微かに揺れもしなくなったころ
とっくの昔に終わった人の後を追う
わたしの先端にしがみついた水滴は
裂けてこぼれる時に声となる
(「藤の夜」より)

【新刊】立木 勲詩集『ウムル アネ ケグリの十二月』を刊行しました。

『ウムル アネ ケグリの十二月』

不安な時代の一隅に生きるヨンとイサオ
ふたりの日々を行き交う思いのかたちに詩の言葉が寄り添う

韓国語で「井戸の中の蛙」を意味する「ウムル アネ ケグリ」。
韓国からやってきたヨンとの暮らしと思いを描いた第一詩集『ヨンとふたりで』に続く第二詩集。

造本・装幀=稲川方人/装画=池英姫(チ ヨンヒ)

A5判・上製/88頁/定価:2000円+税

わたしは ウムル アネ ケグリ です
井戸の中のカエルです
電話の向こうでヨンが泣く

ヨンの井戸にカエルは二匹いるのだよ
僕は言う

一匹はヨンで 一匹は僕なのだよ
(「ウムル アネ ケグリの十二月」より)

穴がそれぞれであれば、這い上がるということもそれぞれであろう。その人たちの声と言葉で繋がることができればと思う。この一冊がそういう詩集であればと思う。(「あとがき」より)

【新刊】蜆シモーヌ 詩集『膜にそって膜を』を刊行しました。

『膜にそって膜を』

そこにある、やってくる、拡散する言葉/声のうねりにのみ込まれる。 蜆シモーヌ、第二詩集!。 B5判変形/80頁/定価:2400円+税
装幀=鈴木規子

「ぴりか/ぴりか/ここは楽園です。」(「ぴりか」)

「ひとはみずからを/模倣して/なにももたずに、そこをでていく」(「春のために」)

【新刊】『映画夢情(えいがゆめなさけ)』を刊行しました。

1960年代初めより映画への溢れる愛憎を自在闊達な思考と文体で書き継いできた佐藤千穂。その知られざる全容を集成。

『映画夢情』

四六判上製/676頁/定価:4800円+税
解題=梶間俊一(映画監督)/荒井晴彦(脚本家/映画監督/「映画芸術」代表)
ボクにとっては近年最も刺激的な映画論集であった。 梶間俊一

小川徹の「裏目読み批評」なんて、いまや誰も知らないだろう。女小川徹みたいな千穂節の映画評論を世に知らしめたいとずっと思っていた。 荒井晴彦

岸田将幸詩集『風の領分』第29回萩原朔太郎賞受賞!

岸田将幸さんの詩集『風の領分』が第29回萩原朔太郎賞を受賞しました。

ごらん、これがほんとうの正午の火照り。きみに影をつくる、生きて在ることの静かな明るさ
現代詩の主体と詩語のありかを問い続けてきた詩人・岸田将幸。
前詩集『亀裂のオントロギー』から7年、静かなる耐久の時間を経て、限りある存在の地平から詩にゆるやかな解放をもたらす待望の第六詩集。


『風の領分』
A5判変形/112頁/定価:2800円+税

多田陽一詩集『きみちゃんの湖』第52回横浜詩人会賞受賞!

多田陽一さんの詩集『きみちゃんの湖』が第52回横浜詩人会賞を受賞しました。昨年コロナ禍で選考が延期となり、今年2回分を決める形になったそうで、昨年度分の受賞です。

障がいと向きあう子供たちへの真摯な眼差し。
彼らのこころと身体の姿に言葉が寄り添うとき命の場所がきらめく。
長らく特別支援教育に携わってきた著者が綴る28篇の詩。



『きみちゃんの湖』
四六判/128頁/定価:2000円+税

【新刊】『眞鍋呉夫全句集』、近藤洋太著『眞鍋先生──詩人の生涯』を刊行しました。

眞鍋呉夫生誕100年を記念して『眞鍋呉夫全句集』、近藤洋太著『眞鍋先生──詩人の生涯』の二冊を刊行しました。


『眞鍋呉夫全句集』
A5判・スリーブ函入り/248頁/定価:2700円+税

『眞鍋先生──詩人の生涯』
四六判並製/256頁/定価:2200円+税
『眞鍋呉夫全句集』は生涯、師系を持たず、無結社を貫き、自らの生(エロス)と死(タナトス)を極限まで凝視しつづけた俳人・小説家、眞鍋呉夫の第一句集『花火』、第二句集『雪女』(藤村記念歴程賞、読売文学賞受賞)、第三句集『月魄』(蛇笏賞、日本一行詩大賞、鬣 TATEGAMI俳句賞受賞)から句集未収録作品までを集成した全句集です。

『眞鍋先生──詩人の生涯』は、43年にわたって眞鍋呉夫の謦咳に接した近藤洋太さんによる評伝です。戦時下、同人誌「こをろ」に集った若き文学者たちとの青春、「現在の会」への参加と共産党への入党、日本浪曼派の流れを汲む文芸誌「ポリタイア」への参加、戦争、戦後を通し「孤立においての連帯」を求めた詩人の生涯を描きます。

書籍内容の詳細については各詩集の紹介ページにてご確認いただけます。
ぜひお近くの書店にてお手にとってみてください。
小社ホームページからもご購入いただけます。