野木京子さんが詩集『廃屋の月』の成果により第75回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞されました。
空の河原かどこかで逢ったことのある
小さな子が部屋の隅から出てきて言った
ゆっくりと回転しながら
この世に現れ出たのだから
立ち去るときもきっと
見えない姿のまま
ゆるやかに回転して
戻っていくはず
そのとき真新しい風を頰に浴び
初めての色彩の景色を見るから
楽しみにしているとよいよ
と
(「空の河原」より)
水面に落ち込んだかつての月明かり、今は亡き人が昔飼っていた犬の鳴き声、夢うつつの気水域に立ち現れるさざなみのような声や断片を拾い集めるように書き継がれた32篇。詩人・野木京子、第6詩集。
装幀=稲川方人
『廃屋の月』
四六判・並製/120頁/2200円+税
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野木京子詩集『廃屋の月』第3回西脇順三郎賞受賞!
野木京子さんの詩集『廃屋の月』が第3回西脇順三郎賞を受賞しました。
最後に満月を見た日のことは覚えていないけれど
夜になると見るだろう月の姿を昼のうちに思い描くことはできる
わたしにも透き通る触手があればいいのに
そうしたら進む道などは光の方向でしかなくなるから
水面に落ち込んだかつての月明かり、今は亡き人が昔飼っていた犬の鳴き声、夢うつつの気水域に立ち現れるさざなみのような声や断片を拾い集めるように書き継がれた32篇。詩人・野木京子、第6詩集。
装幀=稲川方人
『廃屋の月』
四六判・並製/120頁/2200円+税
伊藤悠子詩集『白い着物のこどもたち』第31回丸山薫賞受賞!
伊藤悠子さんの詩集『白い着物のこどもたち』が第31回丸山薫賞を受賞しました。
美しいと思った日々が/絵画のような遠くを散っている
(「草深百合」より)
思い出というものではない、遠い風景の中の懐かしい微笑みやさびしさ。
少女が乗るブランコのこすれる正確な音によって伝えられる生きる生活。
清澄な叙情を伝える25篇の詩。
『白い着物のこどもたち』
A5変形・上製/96頁/2200円+税
中尾太一詩集『ナウシカアの花の色と、〇七年(ゼロナナ)の風の束』第10回鮎川信夫賞受賞!
中尾太一さんの詩集『ナウシカアの花の色と、〇七年(ゼロナナ)の風の束』が第10回鮎川信夫賞を受賞しました。
かつて/世界概観バイシクルの車輪が回ると風が吹いていた、太陽の光を少しだけ信じていた虹の青は銀やんまの銀に溶け/突出したさいのうを風の中に送った、二、三、四人、の壊れたペダリングにうきうきした日から、詩がずっと若いよ(「ちからのオリジン、二〇〇七」より)
この機会にぜひお読みいただけますと幸いです。
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中尾太一詩集『ナウシカアの花の色と、〇七年(ゼロナナ)の風の束』