【新刊】大杉重男『日本人の条件 東アジア的専制主義批判』を刊行しました。


『日本人の条件 東アジア的専制主義批判』

これは「入門書」でも「専門書」でもない。「門」を破壊する「破門」の書である。

憲法九条、「歴史認識」論争、日本語のエクリチュールを新たな視点から批判的に読み直し、和辻哲郎、夏目漱石、谷崎潤一郎、徳田秋声、福本和夫、中野重治、保田与重郎、大西巨人、三島由紀夫、中上健次、大江健三郎、山田美妙らのテクストの転覆的読解を試みて、「東アジア的専制主義」批判から「東アジア同時革命」へ向かう。「最後の文芸批評家」による「最新」の「時間錯誤」的日本=文芸批評。
装幀=清岡秀哉

「私がここで素描を試みたいのは、日本人が「主体性」あるいは「主権」を持つべきなのか、持たないことによってどのように「人間」あるいは「動物」から隔たっているのか、持つとすればそれはどのようなものでなければならないか、そうした問いを、専ら文学を中心とした近現代の日本の文化言語表象の分析を通して検証することである。これは「日本人」の条件を問うことであると同時に「日本国」「日本語」「日本文学」の条件を問うことでもある。」(「序章「日本人工学三原則」としての憲法九条」より)

A5判・上製/536頁/4500円+税