【新刊】中尾太一詩集『君韻幻灯機』を刊行いたしました。


『君韻幻灯機』
A5変形・上製筒函/116頁/2800円+税

人と時代に寄り添いながら明日をさまよう悲しみの行方について語ろう
詩の可能性に、私たちはいま何を問うのだろうか

映画『ルート29』の原作として話題となった『ルート29、解放』、第40回詩歌文学館賞を受賞した『フロム・ティンバーランド』を超えて新たな詩の地平をひらく最新詩集。
表紙絵=榊原澄人/造本・装幀=稲川方人

わたしは長いあいだきみを探しています
部屋に迷い込んだ日差しが息をひそめてあたりを見回しています
わたしの時間も光を受けたまま、静物のように止まっています
その光源を予感するわたしの魂は若いままですが、それによってわたしは苦しみました

いつか「君韻」という言葉の意味が載った詩集を見つけたとき
わたしはうれしかった
そこには琥珀の写真も添えてありました
琥珀のなかには「繋ごうとした手」の「動き」が入っていました
まだ生きていたんだね、とわたしの頬を涙が伝いました
そこで恋という文字を拾ったときもうれしかった
それはわたしの寂しい庭、何もない庭を彩るたったひとつの言葉でした
(「君韻幻灯機」より)

【新刊】荒川みや子詩集『大きなテント』を刊行しました。


『大きなテント』
A5判・仮フランス装/88頁/2400円+税

ひかりの残像をかかえ
言葉を濾過するように

静かに息づく自然の官能への眼差し、その密やかな喜びから生まれた20篇
四半世紀にわたり書き継がれてきた詩作の営み、第4詩集
装幀=清岡秀哉

混乱し《性格をはずして
方位がずれて《いくつかは器からこぼれ
時差をなおして《左右にちらばり
静止する《ふり落ちるそのとき
子葉は殻にまもられ 眠りに集中する
葉ずれのかけひきはないだろう
同種のものどうし
重力のひずみを分かちあい
まったく それぞれが個として
ほんのすこし 闇のなかで動くことができる
(「夜の胡桃」より)

【新刊】『中原中也──傍らの詩人』を刊行しました。


『中原中也──傍らの詩人』
四六判・並製/192頁/2200円+税

朽ちることなく語り継がれる中原中也の像に
いままた新たな声を寄せる。

中也の言葉の魅力を伝える批評、旧論への補遺となる論考、ゆかりの地を訪れた時の思いを綴るエッセイ、中也を描いた映画の評論を収めた第二評論集。

私の中原中也愛読歴も半世紀を超えた。二〇一三(平成二十五)年の、四十年かかった『中原中也のながれに 小石ばかりの、河原があって、』 (思潮社) 刊行から早くも十年以上が経ってしまったが、いつも傍らにあり、生の節々に奥処より湧き上がる中原の言葉は、変わることなく私の中に横たわり支えとなっている。
(「エピローグ」より)

【新刊】橘麻巳子詩集『知らない気配、幽かなあわい』を刊行しました。


『知らない気配、幽かなあわい』
A5変形・並製/60頁/2200円+税

未知の気配に触れる、言葉のふるえ。
吸い殻の消えない煙、薄紅の雲、埃を被った鋏、まだ彫られていない皮膚の刺青──。
世界のあわいをたどる22篇。第三詩集。

匂う 急な
大輪。
わたしは時間の破れるのを待っていた
一度は取れた翅を逆さに背負い
逃げもしない日差しの中で
向かっていく
(「みずいろ」より)

大石ともみ詩集『unlearn アンラーン』第66回中日詩賞受賞!

大石ともみさんの詩集『unlearn アンラーン』が第66回中日詩賞を受賞しました。

かなしみというゆたかさがあると
わたしたちがいつか伝えうる日のために

いくつの問いかけどれほどのunlearn
学びなおし学びほぐす日々を重ねていくだろう
大石ともみ、第5詩集。
装幀=清岡秀哉


『unlearn アンラーン』
A5変形・上製/120頁/2400円+税

【7/7(火)19:00〜】絓秀実×綿野恵太 W刊行記念トークイベント開催

『絓秀実セレクション1 増補新版 花田清輝 砂のペルソナ』(書肆子午線)と綿野恵太『増補改訂版 「差別はいけない」とみんないうけれど。』(朝日文庫)の刊行を記念してW刊行記念トークイベントを開催します。ぜひご参加ください。

絓秀実×綿野恵太 W刊行記念トークイベント
超「ポリコレ」宣言

日時:7/7(火)19:00〜
場所:ジュンク堂書店池袋本店 9Fイベントスペース
入場料:2000円(当日会場にてお支払い)

お申し込みは下記HPのフォームよりお願いいたします。
https://honto.jp/store/news/detail_041000129924.html?shgcd=HB300

【新刊】『絓秀実セレクション1 増補新版 花田清輝 砂のペルソナ』を刊行しました。


『絓秀実セレクション1 増補新版 花田清輝 砂のペルソナ』
四六判・上製/368頁/3600円+税

批評は反省しない。
モラリスト論争、花田‐吉本論争、「政治と文学」問題を検証し、疎外論批判の重要性を告げた絓秀実初の単著、待望の復刊。
花田の正統性の再評価を試みる「花田清輝の「党」」を付した増補新版。

解説=長濱一眞
特別付録インタビュー「『花田清輝 砂のペルソナ』の頃」

装幀=清岡秀哉

【新刊】河口夏実詩集『ソングバード』を刊行しました。


『ソングバード』
A5変形・並製/124頁/2200円+税

第一詩集『雪ひとひら、ひとひらが妹のように思える日よ』で第27回歴程新鋭賞を受賞した河口夏実、10年ぶりの待望の第二詩集。
くるしみよりも自由なこころを歌う珠玉の24篇。

おやすみ
おおきく握手をして別れよう
ここで立ちすくむ
筋力なら
すこし鍛えたほうがいいよ
羽根がひろがる歌をうたって天に近づく
角を曲がっていく
まぼろしの音楽が聞こえる
(「ラジオの日々」より)

【新刊】冨岡悦子詩集『海辺の翼』を刊行しました。


『海辺の翼』
四六判・並製/84頁/2000円+税

柔らかな理性に抱かれるまなざし
さまようこころにも言葉は寄り添い
喧噪なき道行きを慈しむ
前詩集『斐伊川相聞』で第58回日本詩人クラブ賞を受賞した冨岡悦子、新詩集。

秋の夜、わたしのフネに人を招いた。
黒葡萄と手書きの海図をたずさえて、
あなたはそっと足を踏み入れた。
ちいさなフネに、ようこそ、狭いけれど、ようこそ。
これから陸地を離れてふたり、夜をわたるのね。
今夜はいざよいの月。
東から浮かんで、しずしずのぼってゆく。
月はこうこうとあなたの海図を照らし、
ここがどこなのか人差し指を重ね、
アクロス・ザ・ユニバースをふたりで口ずさんで。
わたしたちの夜が
こわれないように
額の奥で
祈りながら。
(「いざようよ」より)

沢田敏子詩集『祝祭の種』第59回日本詩人クラブ賞受賞!

沢田敏子さんの詩集『祝祭の種』が第59回日本詩人クラブ賞を受賞しました。

大道芸人の家族は国境を越えられただろうか
祝祭の種は運ばれただろうか

この時代に、言葉を携えて生き延びるための、祈りにも似た20篇の詩。
沢田敏子、第9詩集。
装幀=清岡秀哉


『祝祭の種』
A5変形・上製/108頁/2200円+税