【新刊】冨岡悦子詩集 海辺の翼

著者:冨岡悦子
定価:2000円+税
判型:四六判・並製
ページ数:84
ISBN:978-4-908568-57-2

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書籍の説明

柔らかな理性に抱かれるまなざし
さまようこころにも言葉は寄り添い
喧噪なき道行きを慈しむ
前詩集『斐伊川相聞』で第58回日本詩人クラブ賞を受賞した冨岡悦子、新詩集。

秋の夜、わたしのフネに人を招いた。
黒葡萄と手書きの海図をたずさえて、
あなたはそっと足を踏み入れた。
ちいさなフネに、ようこそ、狭いけれど、ようこそ。
これから陸地を離れてふたり、夜をわたるのね。
今夜はいざよいの月。
東から浮かんで、しずしずのぼってゆく。
月はこうこうとあなたの海図を照らし、
ここがどこなのか人差し指を重ね、
アクロス・ザ・ユニバースをふたりで口ずさんで。
わたしたちの夜が
こわれないように
額の奥で
祈りながら。
(「いざようよ」より)

著者プロフィール
冨岡悦子(とみおか・えつこ)
1959年東京都生まれ。
著書
『植物詩の世界 日本のこころ ドイツのこころ』(2004年、神奈川新聞社)、『パウル・ツェランと石原吉郎』(2014年 、みすず書房、第15回日本詩人クラブ詩界賞受賞)
詩集
『椿葬』(2007年、七月堂)、『ベルリン詩篇』(2016年、思潮社)、『反暴力考』(2020年、響文社、第54回小熊秀雄賞、第23回小野十三郎賞受賞)、『斐伊川相聞』(2024年、書肆子午線、第58回日本詩人クラブ賞受賞)

目次

ベビーブルーの空
重力波
鳥の羽をペンにして
ヘルツォークの二本立て
フランシス・ベーコンの桃色の
レッスン
羽毛の快挙
青の海綿
船を送る
いざようよ
海図を読む
カラのフネ
なくしてはいけないから
夏至の午後
濃紫の 藍紫の竜胆を
ふたりのマカール
書庫の森にうずくまる
ひかりの竪琴
二月の夜のスパイラル
春月 オルフェウスの船
いつか書き送る手紙のために
生るる あるる
ウミホオズキを買ってもらった
平行と斜角
螺旋の灰
どこまでが半径か
眠る種子がはぐくんでいる
つつむ

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