【近刊】福島直哉詩集 星の身体

著者:福島直哉
定価:2400円+税
判型:A5変形・上製(コデックス装 ドイツ装)
ページ数:88
ISBN:978-4-908568-51-0

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書籍の説明

かさなりあうことのないわたしとあなたの瞳に映る記憶の故郷、彼方の岸辺。
涙を失くし、季節を失くし身体を失くしても、生まれくる無名のまたたきが次々にこぼれ落ちる。
待望の福島直哉第二詩集ついに刊行。深き抒情の森へ!
装幀=稲川方人

からだをなくして
それでも生きているさびしさをいのちと呼んで
わたしはもう二度と
誰かに会うことはなくなって
そのことに少しほっとしながら
溜息をこぼすようにそっと空を見上げて
ひかりとかげが一つの音のように
雲の中を流れてゆくあいだ
わたしはこえやことばを使うことに
激しくかなしみながら
そこで流れてゆく多くの景色を
故郷のように眺めている
(「椿の葉は鉛色の光を含み」より)

著者プロフィール
福島直哉(ふくしま・なおや)
1989年、神奈川県横浜市生まれ。
第一詩集『わたしとあなたで世界をやめてしまったこと』(2016年)。

目次

霜のついた瞼に咲く花の匂いを嗅いで
病床と樺の木
円錐形のひかりへ
白亜の道
別れ
春の幻燈
蛍石の散らばる空の下で
九月の春
海と心音
柏の掌
秋の野原
花の日
二月の底
椿の葉は鉛色の光を含み
宇田川
硝子野原の上で
麦星
月の畦道
誰も知らない場所で
星の身体